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本棚ひとつ。＜少女マンガ＞ 「ここはグリーン・ウッド」（作/那州雪絵） |
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「グリーン・ウッド」と言うのは、このコミックの中心舞台である男子校、「緑都（りょくと）学園」の付属寮、「緑林寮」の彼らなりの呼び名。 その全国有数の名門男子校の寮を舞台に、主人公＋3人の主要キャラ＋時には寮生 ＋時にはその他 が中心となって、面白おかしく、時にはシリアスに、時にはしんみりと物語が続きます。 寮には生徒の中でも取り分け妙な人が多く（第2話における蓮川一也の弁）、そのせいかどうかは謎ですが、そういう主人公・蓮川一也（はすかわ かずや）も、 いじられ易い＝素直・打たれ強い・負けず嫌い・ブラコン・初恋の人は兄の嫁・緊張すると鼻血・恐ろしく足が速い（中学時代100m走11秒）…と言う、大変面白いキャラです（笑）。 ちなみにあだ名は「すか」または「すかちゃん」。 このちょっと不幸気味な主人公を支え、時にはいじったりするメインキャラは以下の3人。 アイドル顔の美男・年齢問わず女にもてるが女運が悪い・誰にも好かれる人気者・年齢問わず面倒見がいい・生い立ちがちょっと複雑・寮長（2年次）・女装すると美女（笑）な、 1年先輩の池田光流（みつる）、 冷静沈着・冷酷無比というクールな美男・冷血鉄仮面・天才肌（常に首席）・影の実力者・生徒会長・名家の次男・でも実は友達思い（でも基本的にはクール）な、 同じく1年先輩の手塚忍、 上記のこの二人は、寮では同室の親友同志です。すかちゃんの隣人でもあるので特に 可愛がられ＆いじられてています…（笑） どう見ても見た目が女（女装しているとかオカマとか言うものではなく）・髪長い・有名旅館の次期社長・性格は男らしい・でもちょっと乙女系かも？な、 すかちゃんと同室＆同学年の、如月（きさらぎ）瞬。 特に上の先輩二人の池田光流と手塚忍は、抱えている物や背景が主人公より複雑な部分があって、時には主人公を押しのけて目立ったりしています（多分キャラ的人気も主人公より上で1・2を争っていました）。 でも結果的には最初に戻り、「蓮川少年の成長物語」としてちゃんと帰結しています。 基本的には学園コメディで、たまに番外編と称したパラレルワールドな話もあったりします。 そこだけでも十分面白くはあるのですが、一人一人がしっかり個性を持っているキャラ達がたまに見せる「真剣さ」と「優しさ」が垣間見れる話も見所のひとつ。 それは、 友達の事を思う時の「真剣さ」と「優しさ」だったり、 人を好きになった時の「真剣さ」と「優しさ」だったり、 自分と家族の関係を考える時の「真剣さ」と「優しさ」だったり、 自分の「これまで」と「これから」を考えたりする時の「真剣さ」と「優しさ」だったり。 その「真剣さ」と「優しさ」の中に見える誰もが体験したかもしれない事を、漫画らしく少しのウソと少しの真実で、なおかつ喜怒哀楽織り交ぜて読ませてくれる作品だと思うのです。 「ここはグリーン・ウッド」は。 そんな思いを込めて選んだ冒頭の台詞は、光流と忍の1年の時の話「雨やどり」にて、大喧嘩の後、光流が忍に伝えたかった台詞です。 学生時代、初めて雑誌で読んだ時面白くてすぐ単行本を買ったほどで。 ちょっと巻が進むにつれ微妙ーーに絵がシンプルになり過ぎている感があるんですが、物語はそんな事ないのでご安心を。 連載当時は確実に人気のあった作品のひとつで、男女問わず読者は多かったようです。 当時としては珍しく企画アルバムが何枚も作られ、ビデオアニメも作られました。 …ええ、企画アルバム数枚持っています。ドラマとイメージソングとか入ってたりして、漫画を読んでいるとさらに面白い、よくできた企画アルバムでした（笑）。 To the memory of my friend, Hyori. |